【Power Apps】「Dataverse for Teams 版備品管理」のご紹介

2022.12.09
【Power Apps】「Dataverse for Teams 版備品管理」のご紹介

こんにちは、MS開発部の市川です。

以前に弊社記事、
【Power Apps】「QRコードを利用した備品管理」のご紹介
を掲載いたしました。

「QRコードを利用した備品管理」アプリで使用しているデータソースのDataverseの特徴として、
中規模部門から全社利用のアプリを作成する場合に適しています。

しかしながらこの備品管理を導入するにあたり、
限られた小規模範囲で運用したい、またはスモールスタートで始めたい場合もあるかと思います。

そこで「QRコードを利用した備品管理」よりも少し規模を小さくした、
Dataverse for Teamsを利用した備品管理「Dataverse for Teams版備品管理」についてご紹介します。

アプリによって必要なライセンスが違うため、以後
「QRコードを利用した備品管理」を Power Appsライセンス版備品管理アプリ
(Power Appsを利用できるライセンスで使用可能なため)

「Dataverse for Teams 版備品管理」を Enterpriseライセンス版備品管理アプリ
(Microsoft 365 E3またはOffice 365 E1ライセンス以上で使用可能なため)
と呼びます。

Power Appsライセンス版とEnterpriseライセンス版の差異

Power Appsライセンス版とEnterpriseライセンス版を比較をすると以下の通りです。

分類 Power Appsライセンス版
備品管理アプリ
Enterpriseライセンス版備品管理アプリ
データソース Dataverse Dataverse for Teams
アプリ起動方法 利用者:
Power Appsモバイルアプリ(キャンバス)
管理者:
Power Apps Web(モデル駆動型)
利用者:
Teams(モバイルで使用を想定)
管理者:
Teams(ノートPCで使用を想定)
セキュリティ ・開発者/利用者、データアクセスについて
詳細な権限設定可
・必要なデータに必要な権限でアクセスさせることができるためコンプライアンスリスク削減可
・Teamsのセキュリティに準ずる
・所有者、メンバー、ゲストの設定
・アプリ作成権限の制限不可
 (社員をゲストに…等)
ライセンス Power Apps専用ライセンス Microsoft 365とOffice 365に包括
利用者機能
(新規登録画面)
備品番号を以下の2つの方法で取得可
・備品番号の選択
・カメラを使用したQRコードの取得
備品番号を以下の1つの方法でのみ取得可
・備品番号の選択
管理者機能
(アプリの種類)
モデル駆動型アプリ Teams版管理者用キャンバスアプリ

1.データソース

Power Appsライセンス版ではDataverseを、
Enterpriseライセンス版ではDataverse for Teamsをデータソースにしています。

DataverseとDataverse for Teamsの違いについては以下の弊社記事をご確認ください。
【Dataverse for Teams】Dataverseとの違いと概要【第2回】

2.アプリの起動方法

Power Appsライセンス版では管理者はPower Appsブラウザページ、
利用者はスマートフォンのPower Appsアプリケーションから起動します。

Power Appsライセンス版 管理者アプリ起動方法(Power Appsブラウザページ)

Power Appsライセンス版 利用者アプリ起動方法(Power Appsアプリケーション)

Enterpriseライセンス版では管理者はPCのTeamsアプリケーションまたはTeamsブラウザページ、
利用者はスマートフォンのTeamsアプリケーションから起動します。

Enterpriseライセンス版 管理者アプリ起動方法(TeamsPCアプリケーションチャネルタブ)

Enterpriseライセンス版 利用者アプリ起動方法(Teamsモバイルアプリケーションチャネルタブ)

3.セキュリティ

Power Appsライセンス版では開発者や利用者、
データアクセスについて詳細に権限管理をすることができます。

Power Appsライセンス版 セキュリティ設定

Enterpriseライセンス版ではTeamsのセキュリティ設定範囲内でしか管理ができません。

Enterpriseライセンス版 セキュリティ設定

4.ライセンス

Power Appsライセンス版を使用するためには、
Power Appsを使用できるライセンスがアプリを使用する全ユーザーに必要です。
詳細は以下公式サイトでご確認ください。
Power Appsの価格

Enterpriseライセンス版を使用するためには、
E系ライセンス(大企業向けライセンス)でPower Apps・Dataverse for Teamsが使用できるライセンス
(Microsoft 365 E3またはOffice 365 E1ライセンス以上)
が必要です。
詳細は以下公式サイトでご確認ください。
Microsoft 365の価格
Office 365の価格

5.利用者機能

利用者用アプリでは、新規レンタル画面で備品番号を取得する方法に差異があります。

Power Appsライセンス版では以下の2種類の方法で備品番号を取得します。

  1. カメラを使用したQRコードの取得(デフォルト)
  2. QRコードボタンをクリックすると
    モバイルのカメラが起動しQRコードを読み取ることができます。

    Power Appsライセンス版 QRコードによる備品番号取得

  3. 備品番号の選択
  4. レンタルする備品の備品番号を選択肢から登録することができます。

    Power Appsライセンス版 選択肢による備品番号取得

Enterpriseライセンス版ではTeamsがQRコードを読み取る機能をサポートしていないため、
以下の1種類の方法のみで備品番号を取得します。

  1. 備品番号の選択(デフォルト)
  2. レンタルする備品の備品番号を選択肢から登録することができます。

    Enterpriseライセンス版 選択肢による備品番号取得

6.管理者機能

Power Appsライセンス版ではモデル駆動型アプリを作成することができます。

しかしEnterpriseライセンス版ではモデル駆動型アプリを作成することができないため、
キャンバスアプリでモデル駆動型アプリのレイアウトに寄せたもの、
かつモデル駆動型アプリでは標準機能として備わっている中で利用頻度が高い機能

  • 検索絞り込み機能
  • ソート機能
  • インポート機能(csvファイル)
  • エクスポート機能(csvファイル)
を作成しました。

備品情報

備品情報テーブルを表示する画面では、
タブで「すべて」「貸出可能」「貸出中」でビューを切り替えることができます。
また「備品種類」「備品番号」で絞り込み検索をすることも可能です。

そして備品情報テーブルのインポート(ローカルのcsvファイルをインポート)や
エクスポート(備品情報テーブルにあるすべてのレコードをcsvファイルとしてエクスポート)
も行うことができます。

Enterpriseライセンス版 備品情報

Enterpriseライセンス版 csvファイルイメージ

レンタル情報

レンタル情報テーブルを表示する画面では、
タブで「すべて」「レンタル中」「返却済」「返却期限超過」でビューを切り替えることができます。
また「データ入力者」「備品番号」で絞り込み検索をすることも可能です。

Enterpriseライセンス版 レンタル情報

ダッシュボード

ダッシュボードでは備品種類ごと(PC・携帯電話・セキュリティカード・Wi-Fi)の貸出中または貸出可能の備品ステータスの円グラフを表示します。

Enterpriseライセンス版 ダッシュボード

Power Appsライセンス版とEnterpriseライセンス版の使い分け

Power Appsライセンス版

  • アプリ利用範囲が中規模部門~全社
  • 部門/組織データベースとして利用
  • チームに依存せず管理
  • モバイルPowerAppsやブラウザPowerAppsなどTeams以外で利用
  • 開発/試験/本番などの環境が必要
  • 連携先に制限を設けない(プレミアム/オンプレ/カスタム/RPA)
  • 外部システムからデータ連携(WebAPI等)
  • 社外向けにWebサイトを作成したい(Power Apps ポータル)

Enterpriseライセンス版

  • アプリ利用範囲が1チームと限定的
  • データ件数が100万行 or 2GB以下
    →利用チームが小~中規模
  • Teams上のみでの利用
  • 連携先が365 or Azure API Management 連携範囲内
  • 厳密なデータ管理を必要としない
  • まずは無償でDataverseを評価したい
    →後からアップグレード可
  • Power Appsライセンス版備品管理のトライアル

まとめ

今回は以前ご紹介した
Dataverse for Teams版備品管理アプリについてご紹介致しました。

ご興味ありましたら下記もご一読頂ければ幸いです。

■Power Platform サービス紹介
Power Platform DX推進
Power Platform 導入支援サービス

■製品紹介
Power Apps 備品管理アプリ

■資料ダウンロード
Power Apps 備品管理アプリ

■ブログ
【Power Apps】「QRコードを利用した備品管理」のご紹介

また、今回ご紹介させていただいたアプリケーションや、
Power Platformについて興味をお持ちいただいた方は、下記からご連絡ください。

ここまでお読みいただき、誠にありがとうございました。

以上、最後までご愛読いただき
ありがとうございました。

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