【Power Apps】「QRコードを利用した備品管理」のご紹介

目次
こんにちは、MS開発部の市川です。 皆様は備品管理をするとき、どのような方法を用いていますでしょうか? 実は、備品管理はMicrosoft Power Appsを活用することで、効率的に運用することが可能です。 今回は、Microsoft Power Appsを活用して備品管理する方法についてご紹介します。
社内業務のDX
最近DXが注目されている中、会社の備品をエクセルやアクセス、備品管理専用のツール等で管理している会社は少なくないと思います。 しかし、備品を受け渡しする度に管理者がデータの管理を行うのは、個人への負担やデータの不備が生じるリスクが高まってしまいます。 また、棚卸の時期に更新依頼や確認のためのメールを送信する手間も考えられます。
そこで社内業務DXの一環として、QRコードを利用した備品管理アプリケーションを作成しました。 使用した製品は以下の3つです。
- Microsoft Power Apps(以下、「Power Apps」)
- Microsoft Dataverse(以下、「Dataverse」)
- Microsoft Power Automate(以下、「Power Automate」)
備品管理アプリ詳細
以下5つのステップで備品管理アプリを作成しました。- 独自のQRコードで備品を管理
- Dataverseでマスタデータを管理
- Power Appsで備品のレンタル・返却
- Power Automateによるメール自動送信機能
- 備品状態の可視化
上記について、簡単に作成したアプリケーションを紹介していきます。
1.独自のQRコードで備品を管理
管理者側はラベルライターを使用して、テキストデータを持たせたQRコードを生成し、備品に貼り付けて管理します。
その際、QRコードに持たせるテキストデータは管理者側が作成した採番ルールに則る、任意のもので構いません。
2.Dataverseでマスタデータを作成
備品のマスタデータは、Dataverseで管理します。 管理者側は先ほど発行したQRコードのテキストデータや各製品が元々持っているデバイスID、メーカーやメモリー等を登録します。 データにデバイスIDを登録することで、一意性を持たせて管理することができます。
作成したDataverseはモデル駆動型アプリを作成することで、簡単にデータの閲覧や編集を行うことができます。 モデル駆動型を利用する事のメリットとして標準機能で、
- Dataverseにてテーブルを使用することで容易にモデル駆動型アプリを作成可能
- Datavarseにテーブルを作る為、同一環境内の別アプリケーションからデータの利活用可能
- エクスポート&インポート機能が利用可能
- フィルター機能が利用可能
- ビュー機能が利用可能
- ダッシュボード機能が利用可能
反対にデメリットとしましては
- Office 365 EやA以外でPowerAppsのライセンスが必要
※Dataverseとは、Microsoftが提供するビジネスアプリケーションデータを格納できる、クラウドベースのストレージスペースのことです。(旧称 Common Data Service)
※モデル駆動型アプリとは、 Power Appsアプリの一つで、Webベースの管理者向けのアプリケーション。ノーコードでアプリに追加するデータの構成により作成できる。グラフ作成に特化しており、追加したデータによりレイアウトが決定する。

3.Power Appsで備品のレンタル・返却
一般的な備品管理の方法としては、備品管理者(あるいは備品管理部署)が利用者から利用情報を集計し、エクセル等に登録していくという方法です。 しかしながら、Power Appsを活用することで、管理者を通すことなく、各々の利用者がデータテーブルに直接情報を登録することが可能です。 また、Power Appsを使用することで、利用者はスマートフォンで備品利用並びに備品返却を行うことができるようになります。
データテーブルへの登録方法ですが、備品の利用開始時にカメラを使用し、「1.独自のQRコードで備品を管理」で貼り付けたQRコードを読み取り、管理場所や貸出日・返却日などの情報を登録します。 返却時には返却理由を登録します。
※利用時のQRコード読み取りについて、マスターテーブルに情報を結び付けていないQRコードは、登録できないようになっております。
備品管理者側は、モデル駆動型アプリにて、全体のレンタル状況を把握することができます。
レンタル履歴テーブルのビューには、「レンタル中」と「返却済み」があり、備品のレンタル経歴を残しておくことができます。
以下は弊社が行っていた棚卸作業の工程です。
左が従来の管理方法で、右が今回作成したアプリケーションです。
右側の緑の部分「自動」については、次の「4.Power Automateによるメール自動送信機能」で詳しく記載しました。
このようにPowerAppsを使用することで管理者の負担を軽減し、尚且つ簡単に備品の管理を行うことができます。
4.Power Automateによるメールの自動送信機能
Power Automateフローを作成することで、備品利用時に、管理者と利用者の間で発生する依頼や確認といったメールのやり取りを、自動化することができます。 例えば、新規利用時や返却時、利用期間の延長時に、備品管理者宛に報告メールが送信されます。 また、返却期日間近や超過時には、備品利用者宛に報告メールが送信されます。

5.備品状態の可視化
集めたデータを基に備品の状態をグラフにして、ダッシュボードを作成しました。 グラフを作成する方法としては、 Dataverseの標準機能で作成する、またはPower BIを使用して作成する2種類の方法があります。
Power BIを用いることでより複雑な条件を指定してグラフィカルに表現することも可能ですが、 Power BI Pro ライセンスが別途必要となるため、今回はDataverseの標準機能で作成しました。
今回, ダッシュボードには5つのグラフを作成いたしました。
- 備品種類別、および貸出状況別の備品数(棒グラフ)
- PC セキュリティソフトの内訳(円グラフ)
- PC メーカー内訳(円グラフ)
- Wi-Fi メーカー内訳(円グラフ)
- スマートフォン メーカー内訳(円グラフ)
このように可視化することで、一目で備品の状態を確認することができます。
まとめ
今回はMicrosoftがDX推進力のひとつとして挙げているPower Platformのうち、 Power AppsとDataverse、Power Automateを利用して、 社内業務の備品管理をデジタル化してみました。
下記より資料ダウンロードも可能です。
Power Apps 備品管理アプリ
今回ご紹介させていただいたアプリケーションや、 Power Platformについて興味をお持ちいただいた方は、下記からご連絡ください。
また、弊社の記事ではありますが、 社会人1年目がPower Platform・Power Appsについて調べてみた にて、Power Platformについて、概要を記載させていただいています。
ここまでお読みいただき、誠にありがとうございました。
以上、最後までご愛読いただき
ありがとうございました。
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