【Dataverse for Teams】Power Appsの統合【第1回】

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※この記事は2022年6月に更新しています。
こんにちは。入社3年目、MS開発部の三浦です。 今回の記事は、Power Appsで作成したアプリを、Microsoft Teams(以下Teams)上で使う方法についてご紹介していきたいと思います。 合わせて、Teams上でアプリを作成する方法も紹介しているので、気になった方はぜひ目を通していただけると幸いです。
●導入 -Teams × Power Apps-
最近では、Power Appsのライセンスを購入し、アプリ作成する企業が増えてきているのではないでしょうか。しかし、そんな中「社内システム用にアプリを作っても、共有の仕方が分からない」、「たくさんアプリがあって、どれを使用したらいいのか分からない」、「いちいちPower Appsのページからアプリを選択しなければいけない」といった問題や手間を億劫に感じている方もいると思います。 そんな悩みの解決に、TeamsとPower Appsを連携させる方法があります。 リモートワークが主流になっている今日、コラボレーションツールであるTeamsは多くの企業が使用しています。このTeamsに作成したアプリを埋め込むことで簡単に使用・アクセスすることが出来ます。
TeamsとPower Appsの連携(統合)の方法として5つパターンが挙げられます。
パターン | 概要 | アプリタイプ |
---|---|---|
キャンバスアプリをタブに埋め込む | Power Appsで作成したキャンバスアプリをユーザーやチーム全体に共有したい場合、チームの上部タブにアプリを埋め込むことが可能 | キャンバス |
キャンバスアプリをパーソナルアプリとして埋め込む | Power Appsで作成したキャンバスアプリを個人で使用する場合に使用。サイドバーにピン留めしたり、個人アプリとしてアプリ一覧にアップロードすることが可能 | キャンバス |
モデル駆動型をタブに埋め込む | Power Appsで作成したモデル駆動型アプリをタブに埋め込み、ユーザーやチームで共有する | モデル駆動型 |
モデル駆動型をパーソナルアプリとして埋め込む | Power Appsで作成したモデル駆動型アプリを個人用アプリとしてアプリ一覧に表示させたり、サイドバーにピン留めする | モデル駆動型 |
TeamsアプリのPower Appsを使用してアプリを作成する | Teamsに内蔵されているPower Appsアプリを使用してキャンバスアプリを作成する ※データベースとしてDataverse for Teamsのみ使用可能 | キャンバス(TeamsのPower Apps) |
今回は、あらかじめPower Appsで作成したキャンバスアプリをTeamsに統合する形で紹介します(表の1番目と2番目に該当)。また、Teams上のPower Appsアプリを使用してDataverse for Teamsを構築してアプリを作成する方法も合わせて紹介したいと思います(表の5番目に該当)。
●Power Apps とは
Power Platform / Power Appについては下記の記事でも紹介しています。Power Appsのライセンスについてや始め方にも簡単に触れていますので、興味がある方は、一度ご愛読頂けたらと思います。 「社会人1年目がPower Platform・Power Appsについて調べてみた」
Power Appsは、Power Platformの中でアプリ作成に特化したサービスです。できることとして、
- プログラミング無しで入力フォームや表示画面を作成する
- 勤怠管理、顧客管理などの簡素なアプリを作成する
- SharePoint リストの入力フォームをカスタマイズする
- PC/スマホ/タブレットに応じて画面を作成する
- Office製品やほかのサードパーティー製品と接続する
これにより、ユーザーへのメリットは
- プログラミングを勉強する手間を省略(ただし、Power Appsの知識やOffice製品の知識は必要)
- フォーマットが揃ったデータを集められる
- アプリを作るためにデータベースだけ用意すれば良い
- ベンダーに依頼せずに、コスト削減可能(短期間・経費削減)
- 外部へのデータ漏えい防止
- 必要最低限で要件にあった製品を作れる
- Webに接続できる場所からいつでもアクセスできる
- 業種を選ばないから、どんな業務システムにも対応できる
Power Appsアプリの種類は以下の3つです。
- キャンバスアプリ UI向けのアプリケーション。 用意されたパーツを使用し、ローコード開発で簡単な入力フォームをデザイン/作成できる。
- モデル駆動型アプリ 管理者向けのアプリケーション。 Webベースのアプリ。ノンコードでアプリに追加するデータの構成により作成できる。 グラフ作成に特化しており、追加したデータによりレイアウトが決定する。
- ポータル Webサイト形式のアプリケーション。 デフォルトの機能を使用することで簡単にWebサイトを作成できる。 外部ユーザーにも公開され、組織内外で表示するサイトを変更することも可能。
●作成済みアプリの確認方法
「アプリはどこから作ればいいの?」、「作ったことがあるけど、どこで確認できるの?」という方は、以下を参考にしてください。
- ①Power Appsの画面を開く 以下のURLをクリックして、Power Appsの画面を開いてください。 ライセンスをお持ちでない場合は、試用版か契約する内容のメッセージが表示されます。 https://make.powerapps.com
- ②「アプリ」をクリックする 画面左メニューバーの「アプリ」をクリックします。過去に作成したものや編集権限があるものが表示されます。 新規作成したい場合は、画面上部の「+新しいアプリ」をクリックします。編集したい場合は、編集したいアプリにチェックを入れ、画面上部の「編集」をクリックします。


●Teamsでの使い方
それでは、Teamsでの使い方について説明します。 今回は、キャンバスアプリを埋め込む2つの方法を紹介していきます。モデル駆動型も同様に使うことができます。
使い方1 チャネル・チャットのタブに表示する方法
この方法は、1つのアプリをチームやチャットメンバーと共有で使うことができます。 一度に大人数に共有したいときや、使用者が多いアプリに最適です。
- ①キャンバスアプリを用意
キャンバスアプリを用意します。アプリの開発が難しい場合は、Power Appsのテンプレートを使用することで簡単に作成することができます。今回はサンプルとして、作成した日報アプリを使用していきます。
- ②Teamsを開く
次にアプリを入れたい場所を決め、Teamsを開きます。個人のチャットでも、チームのチャネルでも構いません。
- ③タブに追加する
画面上部にあるタブの[+]をクリックします。
- ④アプリを選択する
入れたいアプリを追加しましょう。
Power Apps>入れたいアプリ(今回は日報アプリ)>[保存]ボタンをクリックします。
- ⑤タブへのアプリ追加
画面上部のタブにアプリ名が表示され、サンプルで用意した日報アプリが表示されました。これで、タブへのアプリ追加は完了です。ここから、アプリに簡単にアクセスすることが出来ます。
使い方2 サイドメニューに表示する方法
この方法は、作成したアプリを個人で使用したい場合に適しています。
- ① キャンバスアプリを用意
Power Appsのページから、使用したいキャンバスアプリを選びます。アプリの[その他の操作(…)]をクリックし、[Teamsに追加]を選択します。
- ② Teamsに追加する
右側から、[Teamsに追加]という画面が出てくるので、画面下部にある[Teamsに追加]ボタンをクリックしてください。
- ③ Teamsで設定する
[Teamsを開く]旨のメッセージが表示されるので、Teamsを開きましょう。
Teamsを開いたら、①で選んだアプリが表示されています。(こちらの問題で、この画面は日報アプリではありませんが、実際には正しく表示されます。)
追加をクリックすることで、Teams内で作成したアプリを追加・設定することが出来ます。
もし、ここでエラー等が出て設定できない場合は、テナントの設定で個人アプリの設定が許可されていない場合があるので、管理者に確認してみてください。
- ④ アプリを固定する(オプション)
③までだと、一度でも画面遷移してしまうと、アプリがサイドバーから消えてしまいます。アプリを右クリックし、[固定する]を押すとサイドバーに保存され、いつでも使えるようになります。
これで、作成したキャンバスアプリをTeamsに埋め込むことができました。
使い方3 個人用アプリとして埋め込む
この方法も、作成したアプリを個人で使用したい場合に適しています。 使い方2と違うのは、個人用アプリとしてTeamsのカスタムアプリに登録されるので、一度登録したらいつでもアプリを検索して使用することができるようになります。 一方、使い方2の方法は、一度画面を切り替えてしまうと再度同じ手順を踏まなくてはいけません。
- ① 用意したキャンバスアプリをTeamsに追加する
Power Appsのページから、使用したいキャンバスアプリを選択し、アプリの「その他の操作(…)」をクリックし、「Teamsに追加」を選択します。
- ② zipファイルを作成する
右側から「Teamsに追加」という画面が出てくるので、画面内の「詳細設定」を開き、情報を入力します。入力後に、「アプリのダウンロード」をクリックし、zipファイルを作成します。
- ③ カスタムアプリをアップロードする※
先程、ダウンロードしたカスタムアプリをTeamsにアップロードします。
※これを行うにはTeams管理者である必要や、テナント内でカスタムアプリの許可をオンにしている場合のみ行えます。 自分たちのTeamsではできないという場合は、会社の管理者に確認してみてください。
左のサイドバーから「アプリ」を選択し、画面下にある「アプリを管理」をクリックします。 開いた画面から、「アプリをアップロード」で、カスタムアプリをアップロードし、アプリを「追加」します。
- ④ カスタムアプリを使用する
以下のように、アプリが開いたら完了です。入れたアプリはTeamsのカスタムアプリとして、アプリ一覧に表示されます。
これは、個人用にアプリをアップロードしているため、全体には共有されていません。 全体に共有したい場合は、管理者に依頼しTeamsのアプリカタログに追加してもらう必要があります。
●Teamsでアプリを作成する
TeamsにはPower Appsのアプリが用意されており、Teams上でアプリを作成しチームで共有・使用することができます。 これは、チームでのみ使用可能なアプリを作成することになる為、チームを超えた使用はできません。
- ① TeamsのアプリからPower Appsを開く
左のサイドバーからPower Appsのアプリを選択し、「今すぐ始める」をクリックします。アプリを作成するチームを選択し、環境を作成しましょう。
初めて環境を作成するチームは時間がかかることがあります。
- ② アプリを作成する
画面内の「+新しいアプリ」をクリックし、アプリを作成していきます。
- ③ テーブルを作成する
アプリ作成画面が起動したら、「データあり」からテーブルを作成します。これは先程作成した環境にDataverse for Teamsのテーブルとして作成されます。
- ④ カスタマイズする あとは、Power Appsでアプリを作成する方法と同様に、欲しいシステムに合わせてカスタマイズを行ってください。
以上、TeamsでPower Appsのアプリを使用する方法をご紹介しました。
先程の言いましたが、キャンバスアプリだけでなくモデル駆動型もTeamsに追加することが出来ます! 気になる方は、公式ドキュメントを参考にしてください。 https://docs.microsoft.com/ja-jp/powerapps/teams/embed-model-driven-teams-tab https://docs.microsoft.com/ja-jp/powerapps/teams/embed-model-driven-teams-personal
Teamsを使ったPower Appsの連携方法のご紹介でした。 何か気になったことがあったり、詳しく知りたい方は、ぜひご連絡下さい。
では、今回はここで失礼します。
以上、最後までご愛読いただき
ありがとうございました。
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