PowerAppsのテストスタジオ、モニター:品質保証のための必須ツール

いつも弊社ブログをご愛読の皆様、ありがとうございます。
MS開発部の山本です。
皆さんはローコード開発・ノーコード開発で使用されるMicrosoft製品 PowerAppsでのアプリケーション作成を完了した後、どうしていますか?
- PowerApps内にエラー表示がなければリリース
- 動作検証をして、不具合がなければ、リリース
- テストケースを作成し、テストケース通りにテストを行い、問題なければリリース
等、利用者にリリースするタイミングは人それぞれだと思いますが、
基本的にテストをして動作確認を行うまでは共通事項だと思います。
それに加えて、アプリの動作にかかっている処理時間などを分析し、パフォーマンスの向上を行うことでアプリケーションの品質はより良いものになっていきます。
今回はそんなテストや分析などのアプリケーションの品質向上に役立つPowerAppsの機能である「テストスタジオ・モニター」の2つをご紹介します!
テストスタジオの概要と活用
テストスタジオの概要
アプリケーション開発において、アプリケーションの品質を確保するためには「テスト」は欠かせません。
特にアプリケーション開発の進行中に問題点を早期に見つけ出し、修正することが、利用者に安全で信頼性の高いアプリを提供する鍵となります。
ただ、アプリケーションの規模や機能が増えれば増えるほど、全ての機能を人手でテストすることは非常に時間がかかる作業となります。
これはローコード開発であるPowerAppsによる開発でも変わりません。
特に新しい機能を追加するときに、新機能のテスト時間よりも、既存の機能を再テストする「リグレッションテスト」の時間が長くなってしまう場合があります。
ここで役立つのが「テスト自動化」です。これにより、アプリケーションのテスト時間を大幅に短縮し、リリース前の重要な問題を迅速に特定することができます。
そして、このテスト自動化を簡単に実現するツールとして「PowerAppsテストスタジオ」があります。この機能では、専門的な開発知識がなくても、アプリケーションの操作を記録してテストを自動生成したり、ブラウザでのテスト実行などが簡単に行うことができます。
テストスタジオの主な機能
それが「テストの作成と記録」です!
テストスタジオでは、PowerAppsで作成したアプリケーションの一連の操作を自動で行い、不具合が出ていないかをチェックすることができます。
「作成と記録」はどちらもアプリケーションの一連の操作をテスト項目として作成するものですが、違いは以下の通りです。
- 作成:アプリケーションの一連の操作をPowerAppsの式として、開発者が入力して、テスト項目を作成する。
- 記録:アプリケーションの一連の操作を、開発者がデモとして行い、PowerAppsが自動で記録し、テスト項目として作成する。
「作成」機能はPowerAppsの知識がある程度必要なので、まだPowerAppsを使い始めたばかりという方には「記録」機能がおすすめです!
一連の操作のテスト項目を保存しておくことで、新機能の追加の際のリグレッションテストを自動で行ってくれるので、テスト時間を大幅に削減することが可能です!
「テストスタジオ」についてより詳しく知りたい方はこちらをご参照ください。
PowerApps – テストスタジオ
モニターの概要と活用
モニターの概要
PowerApps アプリケーションの効果的な運用と品質保証には、パフォーマンスやエラーの監視が欠かせません。
PowerAppsの「モニター」は、この監視において重要なツールです。
「モニター」は、PowerAppsアプリケーションのパフォーマンスやエラーをリアルタイムで監視するための機能です。
ユーザーがアプリを使用している際の挙動や応答時間、エラーの発生状況などをログ形式で表示し、視覚的に把握することができます。
モニターの主な機能
「モニター」はアプリケーションの監視のためにアプリケーションの操作をログ形式で出力し、次のの観点からアプリケーションを分析することができます。
- パフォーマンス監視:アプリケーションの応答時間や応答速度、データの読み込み時間など、パフォーマンスに関する情報をリアルタイムで監視することができます。これにより、UIの向上やボトルネックの特定が可能です。
- エラー監視:アプリの稼働中に発生するエラー、例外、警告などをリアルタイムで監視することができます。これにより、即座に問題の発生箇所を特定して修正することができます。
- ログの記録と分析: 「モニター」は、アプリケーションの使用状況やエラーログなどの情報を記録し、分析する機能も提供しています。これにより、パフォーマンスの改善や問題の再現が容易になります。
- 招待機能:下記に別途記載。
「モニター」に貯まる操作ログを活用することで、開発者はアプリケーションの品質を維持し、エラーの早期発見と迅速な対応、またアプリケーションのパフォーマンス向上にもつなげることができます!
招待機能
アプリケーションの開発者は、アプリケーションの公開前に、自分以外のアプリケーションの操作でも問題がないかをチェックしておきたいと思います。そこで便利なのが「モニター」の招待機能です。
PowerAppsアプリケーションは、公開前に「プレビュー」として利用者がどのようにアプリケーションを操作するかを想定して、動作させることが可能です。
さらに、「モニター」を使うことで、ほかのユーザーにPowerAppsアプリケーションの招待リンクを送ることで、アプリケーション開発者以外でも「プレビュー」をすることが可能になります。
このPowerAppsアプリケーションの「プレビュー」による操作は、「モニター」の操作ログとして、記録・監視することができるので、アプリケーション開発者以外の環境でもちゃんと動作できているか・問題は発生していないか・応答時間は問題ないか…などを確認することが可能になります!
「モニター」についてより詳しく知りたい方はこちらをご参照ください。
PowerApps – モニター
まとめ
今回はPowerApps のテストや分析などのアプリケーションの品質向上に役立つ機能である「テストスタジオ」「モニター」についてご紹介させていただきました。
「テストスタジオ」では、テストの自動化や効果的なテストデータの管理によって、開発プロセスの効率性も向上、「モニター」では、アプリケーションの動作確認、問題の早期発見と迅速な対処が可能になります。また、パフォーマンスのボトルネックやエラーの発生原因の特定にも役立ちます。
また、操作ログの監視や分析によって、アプリの改善やユーザビリティの向上にもつながると思うので、みなさんもぜひ利用してみてください!
今回ご紹介させていただいたPower Appsや、
Power Platformについて興味をお持ちいただいた方は、下記からご連絡ください。
また、弊社の記事ではありますが、
社会人1年目がPower Platform・Power Appsについて調べてみた
にて、Power Platformについて、概要を記載させていただいています。
ここまでお読みいただき、誠にありがとうございました。
以上、最後までご愛読いただき
ありがとうございました。
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