【SharePoint 移行】移行で発生するギャップの調整【第3回】

MS開発部の小溝です。
第2回では環境変化により、移行が難しくなったという話をしました。
第3回では実際のアセスメントを行い、ギャップに触れてみたお話です。
移行元環境分析でのギャップ
状況の聞き取り
まずはSharePoint Serverの運用担当者様に状況をお伺いましたところ、
把握している限りサイト数は少なく、カスタムも少ないとのこと。
いただいた情報をもとに、移行元の環境分析を行いましたところ、実態とのギャップが多々ありましたのでご紹介いたします。

移行元環境の分析でギャップ
ギャップ

移行対象の比較イメージ(予想と現状)
サイト数
サイトコレクション数が数百と聞いていましたが、サブサイトが未調査でした。 移行ではサブサイトまで把握する必要があるので、サブサイトまで合計するとなんと数千のサイト数がありました。 調査工数の肥大化から全体スケジュールを考慮して追加人員の確保が必要となりました。
Webパーツの数
ほとんどのサイトでカスタム未使用の想定であり、あっても数百と聞いていました。 実際には多くのサイトが利用、数千のWebパーツがありました。 追加人員の確保は前提に、少しでも作業を削減すべく、移行方針の見直しからやり直しました。
サードパーティ製品の利用
サードパーティ製品の利用は聞いていましたが、移行先で利用できなくなることが分かりました。 列レベルでのユーザ権限にてアクセス制御を行っていたため、利用不可になることでのキュリティ観点から運用方法から見直す必要がでてきました。
モダンUIとクラシックUIの選択
モダンUIで出来る事と、利便性のアップなど説明した結果、全体方針としてモダンUIを使いたいとなりましたが、期間や金額で大きなギャップがうまれました。 諸々調整した結果モダンUIは一部主要サイトのみとし、それ以外はクラシックUIでの移行となりました。 モダンUIへの移行という課題が残りますが、サイト毎の管理者様へ移行を委ねるとの判断でした。
移行対象
更新のないサイトやテスト用サイトが多数あったため、移行対象サイトの削減を提案していましたが、ほぼ破棄されない方針となったため、こちらも期間や金額で大きなギャップがうまれました。 移行対象の再策定、移行方針にも修正を行いユーザでの移行作業や確認作業を増やしたりしましたが、それでも追加で予算取りをお願いすることとなりました。
管理者権限
調査の際に管理者権限が必要とお伝えしていましたが、社内申請が間に合わず、開始時期に遅れました。 承認されるまでの間はSharePoint Serverの運用担当者様へ作業をお願いすることとなり、不慣れな作業や、詳細な作業の説明など、担当者様への負担が増えることになりました。
大きく影響のあったところを書き出してみましたが、いかがでしたでしょうか。
実際にアセスメントをやってみて

移行対象のギャップに対して、人員追加の対応で調整
ユーザ努力によるギャップ
SharePointのサイトを運用されるユーザは、業務の効率化や、情報共有を行うために、機能を最大限利用しようと日々努力されています。 それは管理者様の想像を超えてどんどん膨れ上がってしまうのではないでしょうか。
今回の調査でも良い意味でギャップが多々生まれていましたが、移行ではこのギャップを確認し、移行方針の判断を行い、ユーザへの説明を行いつつ、限られた時間と予算のなかで調整しなくはいけません。
ギャップへの調整
開始時期の遅れ、サイト数、カスタム数などの規模感が膨れ上がっていく状況。
全体スケジュールを考え追加人員の確保や、移行方針の見直しが必要となりました。
幸いなことに、今回についてはすぐに人員を追加確保ができたこと。 移行方針のメインがクラシックから同じクラシックになったことで、現行機能をそのまま移行可能なものが多く、調査を最小限に抑えられたこと。
移行先設計についても、こちらからの提案に対して管理者様の意思が明確で、ご指摘や決断も早く、修正や仕様決定などスムーズに行われたので、タイムロスは少なかったように思います。
もちろんすべてが滞りなくというわけではなく、海外事業部との運用方針での折衝や、Onlineになったが故の新しい運用方法の決定など、即断が難しく時間のかかる局面もありました。
それでも、よりよいものにしたい、よいものを取り入れていきたいという意思が伝わってきておりましたので、こちらもそれに応じて時間が許す限り提案させていただきました。
最終的には、関係者全員のご協力のおかげで、双方満足のいく結果を期日内に納品することができ、ほっとしたのを覚えています。
最後に
情報システム部で統制をかけており、使い方が統一されていればギャップも少ないでしょうが、今回は自由度を高く利用ユーザー側で独自に運用・開発までを行っており、現状の把握だけでも大変苦労いたしました。
もし何もせずにいざ移行を始めたら、SharePointの利用ユーザからこの機能がないと困る、これじゃあ使えない、業務にならないといったことになっていたかもしれません。
今回の様に移行アセスメントを行うことで、正確な実数と難易度や機能の把握ができ、移行対象の選定や方針が決定すれば、費用とスケジュールも見えてきますので、移行時のギャップが少なくなります。
スムーズな移行のためにも、移行アセスメントを一度ご検討下さい。
今後のSharePoint 移行において、この記事が少しでも参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
当社ではSharePoint Online移行支援サービスを行っております。
SharePoint Onlineへの移行でお困りで有れば、一度ご相談いただければ幸いです。
以上、最後までご愛読いただき
ありがとうございました。
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