(新登場) Claude モデルが Microsoft Foundry で利用可能に!
目次
こんにちは、MS開発部の渋谷です。
生成AIの進化は、テキストや画像だけでなく、より自然で高精度な言語理解を、どれだけ簡単に実現できるか?という新たな課題へと広がっています。企業や開発者にとって、会話型AIの品質は、顧客体験や業務効率を大きく左右する重要な要素です。
しかし、従来の大規模言語モデルを活用するには、膨大な計算リソースや複雑な環境構築が必要で、PoCや本番導入までに多くの時間とコストがかかっていました。これが、俊敏な開発や新しいサービスの創出を阻む大きな壁となっていたのです。
この課題を解決するために登場したのが、Claudeモデル on Microsoft Foundryです。
Claudeは、高度な自然言語理解と推論能力を備えた最新のAIモデルであり、Microsoft Foundryを通じてクラウド上で簡単に利用可能になりました。これにより、開発者は複雑なインフラ管理から解放され、数クリックでPoCやアプリケーション統合を実現できます。
本記事では、Microsoft Foundryでの利用メリット、そして実際の活用方法について詳しく解説します。
Microsoft Foundryとは?
Microsoft Foundry(旧称 Azure AI Foundry)は、エンタープライズ向け生成AIアプリケーション開発のための、Azure上の統合プラットフォームです。プロダクションレベルのインフラストラクチャと直感的なインターフェイスを備え、開発者はインフラ管理ではなく、価値の高いアプリケーション構築に専念できます。
2025年11月に開催されたMicrosoft Igniteにて名称の変更が発表されました。
Foundryでは、エージェント、モデル、ツールを一元管理でき、トレース、監視、評価、アクセス制御(RBAC)、ネットワーク、ポリシーなど、エンタープライズ導入に必須の運用・ガバナンス機能が組み込まれています。これにより、PoCから本番運用までのスケーラビリティを支え、継続的な改善も容易になります。
また、ポータルは「クラシック」と「新規」の2種類があり、用途に応じて使い分け可能です。クラシック版は Azure OpenAI やハブベースのプロジェクトを含むマルチリソース環境向け、新規版(Foundry)はマルチエージェントアプリの構築・管理・拡張に特化しています。
バックエンドには、1,900以上の先進的なモデルと多数のビジネス向けツールが統合されており、セキュアな知識統合(RAG)、リアルタイム可観測性、強固な認証・ガバナンス機能も提供されます。これにより、開発から本番までのライフサイクルを一貫して高い品質で推進できるのです。
Claude Opus・Claude Sonnet・Claude Haikuの特長
Microsoft Foundryで利用可能なClaudeモデルには、用途に応じて選べる複数のバリエーションがあります。その中でも注目すべきは、Claude OpusとClaude Sonnetです。2025年11月末時点では、claude-opus、claude-sonnet、claude-haikuなどのモデルが利用できます。
Claude Opus
- 最高水準の推論能力:複雑な課題解決や長文の要約、戦略的な意思決定支援に最適。
- 高度な創造性:マーケティングコピー、ストーリーテリング、アイデア発想など、クリエイティブなタスクに強み。
- 長文処理性能:大規模なドキュメントや複雑な指示を正確に理解し、整合性のある出力を生成。
Claude Sonnet
- バランスの取れた性能:高精度な言語理解と効率的な処理を両立し、幅広い業務に対応。
- コスト効率:Opusに比べて軽量で、日常的なタスクやチャットボットに最適。
- 応答速度:迅速なレスポンスが求められるアプリケーションに適した設計。
Claude Haiku
- 超高速応答:リアルタイム性が重要なユースケースに最適。
- 軽量設計:最小限のリソースで動作し、スケーラビリティに優れる。
- シンプルなタスク向け:短文処理や簡易な質問応答に特化。
どのモデルも、Microsoft Foundryを通じてセキュアかつスケーラブルに利用可能です。ユースケースに応じて、高精度な推論を重視するならOpus、スピードとコストを重視するならSonnet、シンプルなタスクであればHaikuを選択するのがおすすめです。
実際に試してみた
Claude on Azure AI Foundryを実際に試してみます。
AzureポータルでFoundryをデプロイします。デプロイ後「Go to Foundry portal」をクリックします。
「モデルカタログ」を開くと各種モデルを確認することができます。使用したいモデルの「Check out model」をクリックします。
「このモデルを使用する」をクリックすると利用規約が表示されます。確認後「同意して続行」します。
「リソースを作成してデプロイする」をクリックします。
「プレイグラウンドで開く」をクリックします。
実際に試してみます。高度な推論もスムーズに回答してくれます。
マルチモーダル分析ももちろん可能です。
さいごに
今回はClaude on Azure AI Foundryを紹介しました。
Azureの堅牢でセキュアな基盤上で提供されるモデルを活用することで法人用途でも安心して利用できますね。OpenAIのモデルとClaudeを同一クラウドで利用できるようになったので、システム開発がより進みやすくなったと思います。
最新情報は公式ドキュメントをご参照ください。また、本記事作成時点ではプレビュー機能ですので、本番展開についてはご注意ください。
皆様の業務に少しでもお役に立つ情報をお届けできていれば幸いです。
以上、最後までご愛読いただき
ありがとうございました。
お問い合わせは、
以下のフォームへご連絡ください。




