レイテンシーが重要視されるシステムに最適な Azure Extended Zones (Azure拡張ゾーン) を試してみよう!
2026.01.05
こんにちは、MS開発部の渋谷です。
クラウド体験は生成AIの拡がりに伴って「会話」で操作できる未来へと進化しています。企業や開発者にとって、アプリケーションをより高速に、よりユーザーの近くで、そして適切なデータ所在地のまま実行できるかは、ビジネスの競争力を左右する重要なテーマです。
これまで、低遅延やデータレジデンシーの要件を満たすためには、オンプレミス環境の維持や複雑なアーキテクチャ設計が必要で、クラウド移行のスピードを阻む要因となっていました。システムを利用者の近くで動かしたい、地域内にデータをとどめたい——そんな要件が、新しいサービス展開やユーザー体験の向上を妨げていたのです。
その課題を一気に解消するのが、Azure Extended Zonesです。Azure Extended Zonesは、都市圏や特定管轄区域に配置された小規模な Azure の拡張ゾーンで、低遅延・データレジデンシー要求に応えるための新しいクラウドの選択肢です。仮想マシン、コンテナー、ストレージなどの主要サービスがサポートされ、エンドユーザーに近い場所でスループットの高いアプリケーションを動かすことができます。
Azureグローバルネットワークと連携しながら、必要なデータだけをローカルに保持できるため、パフォーマンス・コンプライアンス・ユーザー体験を同時に最適化できます。メディア編集、金融、ヘルスケアなど、低遅延かつ厳格なデータ管理が求められるシナリオにおいて、まさに革新的なアプローチと言えるでしょう。
本記事では、Azure Extended Zonesの利用シナリオや利用開始方法まで、わかりやすくご紹介します。
なぜAzure Extended Zonesのようなサービスが生まれたのか?それには国ごとの地政学的な課題が関わっています。
西オーストラリアのパースという都市を例に挙げます。パースは他の主要都市からかなり離れているため、世界で最も孤立した首都と見なされることが多いです。最寄りの大都市アデレードから約2,100キロメートル離れており、西はインド洋、東はほとんど何もない場所に囲まれており、その遠隔地の立地をさらに強調しています。
パースからクラウドサービスを利用する顧客にとっての課題の一つは、Azureリージョンへのアクセス遅延です。パースの顧客は、一般的に以下3つのAzureリージョンのいずれかを使用していました。
リソースプロバイダーの設定が完了したらAzure Extended Zonesを登録します。公式ドキュメントには記載がありませんが、「Az.EdgeZones」というモジュールが環境に無い場合にはインストールをする必要があります。
ここで、現時点で提供されている拡張ゾーンは「パース(オーストラリア)」と「ロサンゼルス(アメリカ)」であることが分かります。今回はパースで登録をしてみました。
登録が正常に完了(=Registerd)されたらAzure VMを試しにデプロイしてみます。Azureポータルでも作業可能ですが、今回はAzure CLIを用います。
任意の名前でリソースグループを作成します。
任意の名前で仮想マシンを作成します。ここでedge-zoneとしてパースを指定します。
作成された仮想マシンのリージョンを確認します。オーストラリアのパースに拡張ゾーンが設定されていることを確認できます。
Azure Extended Zonesの概要と製品誕生の背景
Azure Extended Zonesは、低遅延やデータ居住要件に対応するために、都市圏に戦略的に配置されたAzureの小規模な拡張サービスです。簡単に説明すると、AzureのパブリックリージョンとAzureローカルの間に位置するオンプレミス環境のようなものです。
なぜAzure Extended Zonesのようなサービスが生まれたのか?それには国ごとの地政学的な課題が関わっています。
西オーストラリアのパースという都市を例に挙げます。パースは他の主要都市からかなり離れているため、世界で最も孤立した首都と見なされることが多いです。最寄りの大都市アデレードから約2,100キロメートル離れており、西はインド洋、東はほとんど何もない場所に囲まれており、その遠隔地の立地をさらに強調しています。
パースからクラウドサービスを利用する顧客にとっての課題の一つは、Azureリージョンへのアクセス遅延です。パースの顧客は、一般的に以下3つのAzureリージョンのいずれかを使用していました。
- Southeast Asia(シンガポール)
- Australia East(シドニー)
- Australia Southeast(メルボルン)
Azure Extended Zonesのユースケース
公式ドキュメントには以下2つの利用シナリオが記載されています。- 待機時間: ユーザーは、メディア編集ソフトウェアなどのリソースを、短い待機時間でリモートから実行したいと考えています。
- データ所在地: ユーザーは、アプリケーション データを特定の地域内に留めておきたいと考えています。また、プライバシー、規制、コンプライアンス上のさまざまな理由から、基本的にローカルでホストすることを望んでいる可能性があります。
実際に試してみた
Azure Extended Zonesを実際に試してみます。まずは公式ドキュメントを参照し、Azure Extended Zonesを使用するための事前準備を行います。 まずは、リソース プロバイダー「Microsoft.EdgeZones」を使用するサブスクリプションを登録します。本記事ではPowerShell(=Azureポータル上のCloudShell)を使用しています。
リソースプロバイダーの設定が完了したらAzure Extended Zonesを登録します。公式ドキュメントには記載がありませんが、「Az.EdgeZones」というモジュールが環境に無い場合にはインストールをする必要があります。
ここで、現時点で提供されている拡張ゾーンは「パース(オーストラリア)」と「ロサンゼルス(アメリカ)」であることが分かります。今回はパースで登録をしてみました。
登録が正常に完了(=Registerd)されたらAzure VMを試しにデプロイしてみます。Azureポータルでも作業可能ですが、今回はAzure CLIを用います。
任意の名前でリソースグループを作成します。
任意の名前で仮想マシンを作成します。ここでedge-zoneとしてパースを指定します。
作成された仮想マシンのリージョンを確認します。オーストラリアのパースに拡張ゾーンが設定されていることを確認できます。
さいごに
今回はAzure Extended Zonesを紹介しました。 Azure Extended Zonesは地理的に特殊な要件がある場合の選択肢として非常に便利なサービスです。リージョン数が多く、エッジ技術にも力をいれているAzureならではのサービスだと感じました。将来的には日本を含めたアジアリージョンの対応も進むといいですね! 最新情報は公式ドキュメントをご参照ください。 皆様の業務に少しでもお役に立つ情報をお届けできていれば幸いです。以上、最後までご愛読いただき
ありがとうございました。
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