【Microsoft Azure】EA? CSP? Azureの契約形態を徹底比較&解説!

こんにちは、MS開発部の渋谷です。
この記事を読んでいる方は、Azureの契約形態について悩んでいるのではないでしょうか?
クラウドサービスを利用する上で、契約の選択は非常に重要なポイントです。
自社のニーズや利用状況に応じて最適なプランを選ぶことで、コストを抑えつつ最大限の効果を引き出すことが可能になります。
Azureには、さまざまな契約形態が用意されており、それぞれにメリットとデメリットがあります。
従量課金型やエンタープライズ向けの特別プランなど、選択肢は多岐に渡りますが、これらを正しく理解することで最大限にメリットを享受できます。
そこで本記事では、Azureの契約形態を徹底比較し、各プランの特長や利点、さらには注意点について詳しく解説していきます。
自身のビジネスやプロジェクトに最適なプランを見つけるための手助けになれば幸いです。
(※本記事は2025年2月時点での情報を元にしています。最新情報はマイクロソフト公式ドキュメントをご確認ください。)
Microsoft Azureの契約は3種類から選ぶ
Azureを使う環境を作成するには必ずマイクロソフトとの利用契約を結ぶ必要があります。
様々な契約の種類が用意されており、利用規模や利用目的によって適したものを選ぶ必要がありますが、大まかに分けると3種類に分類されます。

●ちょっとTips
一つの組織で複数の契約を共存させることができます。
環境が増えることで管理工数が上がる可能性はありますが、目的に応じて契約を使い分けるといったこともできます。
1.MCA契約
MCA契約は最もシンプルで簡単な契約です。
とりあえずAzureの環境を作ろう といった状況では最も適しています。
例えば、法人のクレジットカード情報を使ってすぐにAzure環境を作る場合などによく採用されます。
MCA契約の価格の特長は、為替変動の影響を受ける点です。
日本円でのお支払いは可能ですが、USドルの影響を受けるプランになるので、円安リスクを感じる方は利用の際に検討が必要です。
Azure Pricing Calculator で「通貨」を「日本円」に設定すると、今月のレートを確認することができます。

MCA契約ベースのAzureサブスクリプションはこちらから「プリペイド」を選択することで作成することができます。
無料のサービスを使う場合でも法人クレジットカードの情報は必要になりますのでお忘れなく!

お持ちのAzureサブスクリプションがMCA契約ベースになっているかどうかは、Azureポータルの「サブスクリプション」のページで確認することができます。
「プラン」欄に「Azureプラン」と書かれていればMCA契約が締結されています。
Azureのプランについてはこちらで詳細を確認することができます。

●ちょっとTips
MCA契約と同じようなWeb Directの契約にはMOSPと呼ばれるプランもありましたが、現在新規にMOSPを作ることはできなくなっています。
マイクロソフトとのビジネス経験が長い方の中には、Azureにおける従量課金プランのことを通称してMOSPと呼ばれる方もいますが正確な表現ではありません。
既存のMOSP環境は順次MCAに自動的に切り替えが進んでいます。
2.CSP契約
CSP契約はAzureの代理店経由で締結できる契約です。
ビジネス上の関係性がある企業からAzureを買いたいといった状況で選ばれることが多いです。
例えば、開発サポートや技術支援を受けているという関係性があったり、Microsoft 365を購入しているという関係性がある場合などによく採用されます。
CSP契約の価格もMCA契約の価格と同様に為替変動の影響を受けますが、代理店ごとに異なる特別オファーを出していることがあります。
価格で比較をしたい場合には相見積もりをおすすめします。
また、CSP契約ではAzureサポートの1次受けがパートナー企業になる点も特長です。特に特定の技術領域に強い企業の場合には技術サポート面でも恩恵を受けることができます。
CSP契約の代理店は日本国内に多数あるので、各企業のウェブサイトからAzure CSP契約の締結が可能かどうかを確認する必要があります。
3.エンタープライズ契約
エンタープライズ契約はLSPと呼ばれる企業を通して締結できる契約です。
「エンタープライズ」という言葉が入るため大企業のための契約と思われがちですが、中小企業やスタートアップ企業でも条件を満たせば締結することができます。
LSPの一覧はこちらで確認できます。
エンタープライズ契約におけるAzureの価格は、締結した月の価格が3年間保証されるといった特長を持っています。
日本で登記している企業はエンタープライズ契約の価格表が日本円で設定されるため、契約期間である3年間は値上げされることなくAzureの各製品を使うことができます。
仮に契約期間中に円安がどんどん進んでいったとしても、エンタープライズ契約を結んでいるお客様はその影響を受けることはありません。
そのため、為替変動のリスクを考えずに予算を調整したい企業や長期的にマイクロソフト製品を使い続けることが決まっている企業に最適なプランです。
※1: 上記はAzureの価格についての説明になります。Microsoft 365などの製品は上記ロジックで価格は設定されません。
※2: エンタープライズ契約を締結した月に一般提供(GA)されている製品が価格保証の対象になります。契約した時点でプレビューだった製品は一般提供されたタイミングから価格保証が開始されます。
エンタープライズ契約はEA, ESA, SCEと呼ばれる3つの契約の総称です。
本記事では詳細は省きますがシンプルに整理をすると、Microsoft 365とAzureを一緒に買う場合にはEAかESA、Azureだけを買いたい場合にはSCEという選択肢になります。
それぞれの契約ごとに各製品の最低購入数量が決められていますので、詳細はLSPかマイクロソフトの営業担当に確認してみてください。
エンタープライズ契約を締結する際にはLSPと呼ばれる代理店とのやり取りが必要になりますが、Azureのサポートについてはマイクロソフト社から直接支援を受けられるという特長があります。
CSP契約とは異なり、製品の開発元に直接相談することができます。
●ちょっとTips
マイクロソフトとのビジネス経験が長い方の中にはエンタープライズ契約のことをEA契約と呼ぶ方もいますが、正確な表現ではありません。
EA契約はあくまでもエンタープライズ契約の中の一つの契約なので、「エンタープライズ契約のEA」と伝えるのが正確な表現になります。
ただし便宜上エンタープライズ契約のことを略称でEAと呼ぶことはよくあるので、「EA」という言葉がエンタープライズ契約全体のことを指しているのか、エンタープライズ契約の中の一つの契約のことを指しているのかは文脈から理解する必要がある場合があります。
まとめ
ここまで説明したAzureの各契約の特長をまとめると以下のようになります。

今回はAzureの契約について、各契約の特長とそれぞれのメリット・デメリットをまとめました。
Azureの契約は、要件に応じて使い分けることができるようになっています。
本記事の内容が参考になりましたら幸いです。
以上、最後までご愛読いただき
ありがとうございました。
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