Azureをお得に使うために知っておきたい! Azureハイブリッド特典とは?
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こんにちは、MS開発部の渋谷です。
クラウド活用が進む中で、企業のIT戦略において避けて通れないテーマがあります。
それは、クラウドの柔軟性を享受しながら、コストをどう最適化するか?という問題です。
オンプレミスからクラウドへの移行は、俊敏性やスケーラビリティをもたらしますが、ライセンスやインフラコストの管理を誤ると、想定以上の支出につながりかねません。特に、既存のWindows ServerやSQL Serverのライセンスをどう活用するかは、多くの企業にとって重要な課題です。
この課題に応えるために用意されているのが、Azureハイブリッド特典(Azure Hybrid Benefit)です。
Azureハイブリッド特典を活用すれば、既存のオンプレミスライセンスをクラウドで再利用し、最大85%のコスト削減が可能になります。
クラウド移行を検討中の企業にとって、コスト効率とライセンス資産の有効活用を両立できる強力な仕組みです。
本記事では、Azureハイブリッド特典の仕組み、適用条件、そして導入によるメリットをわかりやすく解説します。
Azureハイブリッド特典の仕組み
Azureハイブリッド特典(Azure Hybrid Benefit)は、既存のオンプレミスライセンスをクラウドで再利用できる仕組みです。略してAHB(エーハブ)と呼ぶ人もいます。
企業がすでに保有しているWindows ServerやSQL ServerのライセンスをAzureに持ち込むことで、仮想マシンやデータベースの利用コストを大幅に削減できるという仕組みです。
この特典の根幹にあるのは、Software Assurance(SA)契約です。SA付きライセンスを持っている場合、オンプレミスで購入したライセンスをAzureに持ち込んで適用し、追加のOSやSQLライセンス費用を支払わずに利用できるという特典です。
つまり、クラウド移行時に新たなライセンスを購入する必要がなく、既存資産を最大限に活用できるのがAzureハイブリッド特典を活用するメリットです。
Azureハイブリッド特典の適用条件
Azureハイブリッド特典を利用するには、いくつかの条件を満たす必要があります。以下のポイントを押さえておくことで、スムーズに適用できます。
1. Software Assurance(SA)の契約が必須
Windows ServerやSQL ServerのライセンスにSoftware Assurance(SA)が付与されていることが前提条件です。SAは、ライセンスのアップグレード権やクラウド利用権を含む契約であり、Azureハイブリッド特典を利用するためのキーとなります。
2. 対象となるライセンス
Azureハイブリッド特典の対象は、以下のライセンスです:
- Windows Server Standard / Datacenter
- SQL Server Standard / Enterprise
- Red Hat Enterprise Linux (RHEL) サブスクリプション
- SUSE Linux Enterprise Server (SLES) サブスクリプション
これらのライセンスをオンプレミスで保有し、WindowsとSQLについてはSA契約が有効であれば、Azure上で再利用できます。
3. 適用できるサービス
特典を適用できるAzureサービスは次の通りです:
- Azure Virtual Machines(Windows Server, Linux)
- Azure Kubernetes Service
- Azure SQL Database
- Azure SQL Managed Instance
- Azure VMWare Solution
- Azure Dedicated Host
4. ライセンスの換算ルール
オンプレミスライセンスをAzureに適用する際には、コア換算ルールがあります。例えば:
- Windows Server:1ライセンス(16コア)で最大2台のAzure VM(最大8コア)に適用可能
- SQL Server:コア単位で換算し、Azure SQL DatabaseやManaged Instanceに適用
5. 有効化の方法
AzureポータルでVMやデータベースを作成する際に、「ハイブリッド特典を有効化」オプションを選択するだけで適用できます。既存リソースにも後から設定可能です。
これらの条件を満たすことで、Azureハイブリッド特典を最大限に活用し、クラウド移行のコストを大幅に削減できます。
Azureハイブリッド特典のメリット
Azureハイブリッド特典を活用する最大のメリットは、クラウド移行にかかるコストを大幅に削減できることです。既存のオンプレミスライセンスを再利用することで、Azure上でのOSやSQLライセンス費用を支払う必要がなくなります。1. 最大85%のコスト削減
Windows ServerやSQL Serverのライセンスを持ち込み、Azure Reserved Instancesと組み合わせることで、最大85%のコスト削減が可能です。これは、クラウド移行のROIを劇的に改善する要因となります。
2. 既存資産の有効活用
オンプレミスで購入したライセンスを無駄にせず、クラウドで再利用できるため、過去の投資を最大限に活かせる点が大きな魅力です。新規ライセンス購入の負担を軽減し、予算を他のイノベーション領域に振り向けることができます。
3. 柔軟なハイブリッド戦略の実現
Azureハイブリッド特典は、オンプレミスとクラウドのハイブリッド環境を前提に設計されています。これにより、段階的なクラウド移行やハイブリッド運用が容易になり、ビジネスの俊敏性を高めることができます。
4. セキュリティとコンプライアンスの維持
Microsoftのライセンス体系に準拠した移行を行うことで、ライセンスコンプライアンスを確保しながらクラウド利用を拡大できます。これにより、法的リスクや監査対応の負担を軽減できます。
コスト削減だけでなく、既存資産の活用、移行の柔軟性、コンプライアンス維持といった複数のメリットを享受できる点が、Azureハイブリッド特典の強みです。
さいごに
今回はAzureハイブリッド特典をご紹介しました。
WindowsやSQLのライセンスをクラウドに持ち込めるのはAzureならではの特長ですね。
最新情報は公式ドキュメントをご参照ください。
皆様の業務に少しでもお役に立つ情報をお届けできていれば幸いです。
以上、最後までご愛読いただき
ありがとうございました。
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